『退職にあたって』 2004年3月号
男性指導員
一身上の都合により今月末で自然学園を退職することになりました。
7年間お世話になりました。
少し自分と学園の子供たちについて書いてみたいと思います。
僕と一緒に過ごしてきた子供は80人程度です。
子供たちとのやり取りから良く考えたことは、「自分自身を持つ」ということでした。
職員として自分の取り柄はなんだろうかと考えました。
結局のところ、自分は学園の職員でしかなく、何を専門としているかと問われると
「池川自然学園の職員」としか答えような気がします。
それほど、学園独自の方法論を見出そうとしてきました。
職員として子供たちに期待しているのは、彼ら自身が幸せを実感できるような人生を歩んでいけることです。
自分達のどの働きかけが、彼らの自立につながるのかはわかりませんが、
思春期にここ学園で過ごしてよかったと感じてもらいたいと願います。
子供たちとは24時間顔を突き合わせています。いいときも良くないときも向き合っています。
そんな中、子供たち同士が笑顔で話しているのを見ると、いいなぁと素直に感じます。
いつも笑顔を見ていたいと思います。
そんな彼らが卒園後に学園を訪ねてくれることは本当にうれしいものでした。
元気な顔を見せに来てくれるのです。
職員として体や頭を使ってきましたが、終盤はあまり頭を使わなくなった気がします。
自分自身が満足することを考えたら、子供たちに要求することが少なくなりました。
彼らには将来、優しさと自分らしさを持って笑顔で過ごしてくれたらと願っています。
学園は現在でこそ職員数は少ないですが、この10数年間携わってくれた方々は数知れず、
この山の上に切り開かれたエネルギーを今なお感じます。
その一端を多少担えたカナと自負しながら学園を卒園したいと思います。
ありがとうございました。